国勢調査からみた5年間の変化と投影した将来の佐渡。どう流れは変わったか? (データ編)

By gkmyhn, 2021年12月19日

佐渡市と旧市町村の詳細データが公表されました。これを5年前の推計値と比較すると共に、今回の国勢調査のデータを使って佐渡島の将来の姿を示してみました。データなどに興味がないかたは、概要を説明した「説明編」をご覧ください。

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(2015年-2020年データに基づく将来人口計)

 

この5年間の人口減少は、日本創成会議の「消滅可能性都市」に入っている佐渡島という観点から説明すると、前の5年間のデータで計算したよりも消滅を45年間ほど早める結果となりました。なお、私が初めて人口推計をした30年ほど前の予測値と比較すると、国勢調査1回分の人口減少を遅らせる改善をさせていることがわかりました。今回のデータによる推計は、次の5年となる2025年に向けて消滅しない佐渡島へどんな変化をさせられるかのスタートとなる数値と思っています。

 各データは生データが中心になっています。私は、何かを判断するには割ったり掛けたり加工した「率」等で、自分が改善しなければならない当事者となる場合は、生データを眺めて、「アーダ、コーダ」と思い巡らせ、必要な箇所を取り上げて加減乗除しています。その生の数値をみて、「それはあり得ることだとか、ありえるが継続するとは言えないとか、こんなことをすれば、この年齢は、5年後にこれだけ増えるのではないかとか」等を考えてみてください。

人口を増やそうと幾つもの要因を考え、それらを実行すると全体では何人の人口が増えることになるか…と考える場合を仮定してみます。その場合、この対応で何人などの目標づくりは容易にできます。しかし、この対応を何年行って、何歳の人を何人増やすなどを想定すると、途上で亡くなる人、年齢による出生数の違いなどで、全体として目標年に人口は何人になるのかの計算が難しくなってしまう場合があります。そのようなときのために、「人口再生シミュレーション」ツールを公開します。

佐渡市

両津 相川 佐和田 金井 新穂 畑野 真野 羽茂 小木 赤泊

佐渡島-カウントダウン時計

※計算した生データのため、ダウンロードする場合、佐渡市はA3判3枚、旧市町村はA3判で各1枚と大きくなっています。

※人口推計は、基本的には前国勢調査の年齢別人口に生残率と移動率の二つを加えたものを乗じて5年後の年齢別人口とします。この計算に必要な「確定生命表」発表されていないため、令和2年の新潟県「簡易生命表」を使用しました。二期間の人口は確定しているため、生残率と移動率の一方の率が間違っていれば他方の率が増減される関係のため全体としては合うようになっています。

※国勢調査では、年齢不詳が前国勢調査83名、今回143名います。この人数は除外しています。

※旧市町村の計算をした場合、この年齢にこのような移動が何故起きるのか疑問が生じた地域が複数ありました。本来は、異常値を抜く作業が必要ですが行っていません。現状データを将来に投影し口を推計するという視点ではよいのですが、5年後の人口を言い当てたいと思う場合は、誤差が生じます。申し出ていただければ一緒に作業をしていただけることを前提に再計算します。

※カウントダウン時計は国勢調査データに基づき再計算したものです。

 

(特徴)

■推計誤差

各機関の誤差は次のとおりでした。

①「独自推計」(私の計算)は、いつも同じ程度の誤差です。「当たる」というよりは、佐渡島は長年の減少で、いつしか一本の下降する規則正しいレールに乗ってしまったものと思います。

このため、将来の生残率や移動率、そして出生率を予測することなく、前期間の確定数値(生残率、移動率、出生率)を基にして計算すると最も近似値になるのでしょう。

人口推計は、わからない将来を予測する統計の中で近似値を得られる稀な手法の一つです。私の場合の佐渡島に限ってみた5年毎の国勢調査の5年先の誤差率は次のとおりです。

※過去に発表した誤差率には、推計の基になる国勢調査の仮確定値を基に行ったり、国勢調査に年齢不詳があるものを含めて誤差率を計算したりするものがあり、必ずしも上表と数値が一致しない場合があります。(カウントダウン時計も最終確定値で誤差を再計算し表示しました)

②社人研(国立社会保障・人口問題研究所)の誤差は、図表のように移動率の実数値に環境要因などを考慮して調整しているためと思います。 佐渡島の場合、これが誤差を大きくしている要因の一つでしょう。現場となる佐渡島で、後日公開する「人口再生シミュレーション」ツールを使う場合は、この違いの根拠がわかれば社人研のデータ、わからなければ実数値を使った方が無難だと思います。

実態値を使う方が、差異分析が容易になり進捗管理できるようになります。どうしてそうなるか不詳の数値を基準にして目標をたてると、結果に対する差異分析が十分できません。

■前回の国勢調査との比較

①前回2015年の国勢調査データで投影した佐渡島の将来は2305年で消滅でした。今回の2020年データでは2260年に消滅と45年早まりました。過去の推計においても、同様に50年間位を延びたり縮んだりしながら進んできています。
これが「当たるか」と言えば当たらないでしょうが、それぞれの期間の確定数値を将来の延ばして比較することは、5年間の活動の結果を差異分析するうえで、最もわかりやすいデータと思っています。

②私が初めて佐渡の人口推計を行い、今も残っている資料が下の表です。昭和60年~平成2年(1990年)のデータを基に行ったものです。その推計による30年後の令和2年(2020年)の人口は、45,216人で実数値51,349人との誤差は12%です。「誤差」欄の数値は、各年の誤差の累計です。

この推計の2015年の推計値が50,795人ですから、30年間かかりましたが、減少を5年間分おさえたとも言えるでしょう。人口推計は、その時の数値を将来に投影したものと言えますから、このような見方もできると思います。

 

■出生に関する現状

①合計特殊出生率の低さ

佐渡市は人口の将来展望をする仮定値の一つとして、2020年に下表の値を2.08にして2060年まで続くと3万人となるとしています。それは、下の表をみると実態に比べ非常に高い目標ともなっています。

出生率を、人口が今と同じ人数に置き換わる数値とすることは、地域存続の条件だと思いますから必要でしょう。なお、社人研は0-4歳の子どもと15-49歳女性の比率から出生数を計算しています。合計特殊出生率に換算すると、2015年時点で1.53、2020年では1.44程になります。

※出生率は、私の計算では長期的な傾向をみるにはよい「子ども女性比」を使用しています。具体的な対策を練る場合は、合計特殊出生率を取り上げ、計算過程にある年齢別女性数、未婚・既婚数、年齢別出産数などを入れ替えながら、ほしい率になるための各人数把握、アップさせるために調査をして対策を考える方がよいと思います。

②世代交代で半数になる女性数

生物としてヒトをみると、20年経つと子ども世代は大人世代と入れ替わります。次の表をみると入れ替わる毎に半数近くに減少しています。次世代は半分の女性で子どもを産むのですから、合計特殊出生率が目標を達成しても出生数は減少します。

 

■再生? 維持? 存続?への3つの視点

①人口が動き出す目安を知る。

次のグラフのように、今すぐに島外との流出入をなくして、かつ人口の再生産の目安でもある合計特殊出生率2.08を達成すると、50年後の2070年頃から30000人弱で横ばいになる状況にあります。

佐渡島の対策の考え方と思われる「島外との流出入差を無くしたい」「人口の置き換え可能な出生率にしたい」に似たものです。かつての朱鷺同様、生物として自己再生産できることは一番大切な土台であり、目標だと思います。

②力づくで再生させる試み

前項①のように50年間も待てないので、数年内に目安をつけたい思いは誰にもあるでしょう。次のグラフは、島内にある空き家のうち3000軒にグラフ内の家族構成の世帯9000人が一挙に移住した例です。

なぜ減少するのでしょうか。それは、例えば9000人の地域があり、佐渡島と生残率、出生率、流出入率が似ているとすると、その二つの地域が合併しても各々がこれまで同様の減少が続き消滅も同じと考えればよいでしょう。もう一つの理由は次の項目に記載しました。

※移住者は二度と流出せず、生まれる子供たちは島内の若者同様に流出するとの仮定で計算しました。なお、もう一人の子どもが生まれる家族もあるでしょう。

③根本的な維持存続の考え方

次のアニメは人口30000人を目標にして安定化させる例です。下にある表をアニメ化したものです。

これは、減少する佐渡島を人口30000人で止めるという視点ではありません。30000人になったときの人口ピラミッドを考え、そのために必要な子供の数の確保するという根本部分に視点を移して考えたものです。表のように85年間ほどかかり30000人になります。

具体的には、まず、若者流出も考慮して30000人となったときに必要な出生数を先に決めます。その出生数に満たない場合は移住に頼り達成する例と、移住ではなく出生率をアップする施策に頼ろうとする例をあげました。共に数値が高すぎると感じるでしょう。

※「女性は子どもを産む機械ではない」という思い、「男は何人いても人口の広がりはない」という現実、シミュレーションをしていて常に考えるところです。ここでは、生物としてのヒトの再生産という点から割り切って取り上げています。

 

(移住中心に再生を試みる)

東京にある若者に人気があり常に若者達の移住がある地域です。人口ピラミッドが”きのこ型“なのは出生率が低いせいです。眺めていて、「きのこの傘」部分にあたる若者移住が止まったらどうなるか想像してください。全国地方からの流入が止まり最も人気ある移住地であるため最も影響をうけます。少ない子供たちの年齢階層が大人世代にまで至り人口減少が始まります。

このため消滅可能性都市に入っています。私が勝手に名前をつけている大売出しなどの販売促進中心の「販売促進型」の人口対策例です。

人口ピラミッドは企業の貸借対照表と似ています。債務超過などに陥りバランスを崩すと売り出しなどの販売促進では回復しません。また資本金を増やすなど幾らお金をつぎ込んでも赤字や経営外への資金流出などの体質を根本的に直さないと、当面増えたように見えても長期的には再生できない場合が多いためです。

④雇用を背景にした人口の維持の考え方

前項は生活するための収入は考慮してありません。ここでは、人口を維持するための雇用(産業)の面も加味させて考えるものです。次の表は 人口千人当たり事業所数で、考え方の基は小規模企業白書にある「人口千人当たり小規模事業所数は一定で推移」を佐渡島の事業所で計算したものです。

佐渡島では昭和50年以来、千人当たり事業所数は、これまで70±3で推移してきました。このため将来人口が予測されれば将来の事業所数も予測できます。

※2020年64と減少: 国は団塊世代の社長の引退が迫る中で後継者は少なく、事業承継が進まない場合の事業所数の激減と雇用の減少を懸念しています。これが昨今の事業承継への豊富な施策となっているものです。佐渡連合商工会2015年調査によれば、全体の60歳以上の経営者は53.1%全体で後継者なしは40.5%です。この廃業が始まったのも一因かもしれません。

※上表の前調査2015年と10年後の事業所数2570との差は1286事業所。後継者なし事業所はそれ以上にのぼり、廃業事業所がソフトランディングできれば過度の競争による共倒れは防げると考えます。

「雇用を背景にした人口維持」については一つ問題があります。次のグラフのように、佐渡の事業所の売上先は島内が圧倒的に多いのです。このため、人口を先導するというよりは人口減少によって事業所も減少してしまいます。

※出所: 佐渡連合商工会2015年調査

 

そうすると次のように人口が減るに応じて島内需要は多くが減少してしまいます。 

※家計調査の600前後の一人当たり品目別の消費支出額を仮に72種の業種に振り分け、将来人口を乗じて市場規模をみたものです。

 

⑤人口の積み上げという考え方

考え方は、「③根本的な維持存続の考え方」と同じで力に応じたところから始める方法です。売上先が島外にある企業で消滅しないための人口のコアをつくり、それを佐渡島の力に応じて積み上げる方法です。できれば島内から雇用を得られない場合は島外からもできるとベターです。

例えば売上先は島外で毎年夫婦2名を雇用できて定年65歳の企業又は企業群があれば、雇用は各年齢2名×45年とすれば90名ほどになります。定年後は年金生活として、この夫婦が2名又は3名の子どもがあるとしたら、人口は各年齢2名×100歳として200人です。

これをアニメ化したのが次です。今の人口減少が続く中で、コア企業ができて、企業が続く限り消滅はならない状況を示したものです。後は、このコアとなる企業群を多くする積み上げの努力です。近年、人口減少は当たり前のように平気で使っています。

積み上げの考え方では、同じ人口減少下でも、それを嘆くのではなくて、雇用を積み上げる挑戦の言葉が多くなるでしょう。(別サイト「説明編」でする売上減少が回復できない企業の新製品づくりの考え方参照)

 

■チャンスの到来

次のグラフは、人口減少に対す佐渡島の成功体験です。国県の施策のもと、数年間で観光客と工業出荷高を倍増しました。これが人口推移の折れ線グラフに出ています。人口のコアづくりですから、当時の規模のものは必要ありません。強固なコアづくりのチャンス、当時と似た構図とチャンスが①~③のように佐渡島に出てきたと感じています。

①観光

次のグラフは、世界遺産登録を受けた後の観光客数の推移です。ここでは、観光産業全体が潤うということではなく、激化する島外観光との競争の中でも、たとえ佐渡への観光客が減少しても、自企業は一定の売上高を確保できる企業のことを言います。人口のコアとなり得る力ある企業づくりが大切と思います。

※出所: 相川商工会「商人塾」事業の際に作成

※よく見えない場合は(ここ)をクリックしてください。元資料をアップしてあります。

 

②IT企業など首都圏からの企業

新潟日報で紹介された企業の例です。島外に売上先をもつ企業は、島内需要と売上高を拡大する国が期待するハブ企業になると共に、人口のコア部分の雇用を期待できると思います。


③生産及び製造企業

数年前のこと、中小企業診断士の義務研修で講師から「新潟県で世界に羽ばたいている企業」を紹介され、その中に佐渡島から製造業二社がありました。両社共に島外に売上先をもちます。このような製造業は頼りになるコアづくり企業だと考えます。

その後、令和4年3月に新潟日報で右のような紹介がありました。工業会設立当時、行政職員のお手伝いで関わりました。さらにレベルアップしているようでコア企業群として頼もしく思いました。

また、農業や漁業などは、古来からそれだけで自給生活した産業です。人口のコアになる土台の事業でしょう。

 

 

 

 

終わりに….

内閣府 経済財政諮問会議 専門調査会「選択する未来」委員会では、「ある地域を選び、就労し、結婚して家庭を築き子どもを産み育てることは個々人の意思に基づき、個々人の基本的な権利にかかわるものであり、「人口」を施策として取り上げるに際しては、その点を常に念頭においた姿勢が求められる。人口が減り続ける社会は、いずれ消失することになり、どのような未来も描くことはできない…としています。

 

5 Comments

  1. 野口忍 より:

    素晴らしい資料ありがとうございます。個人的には中学生、高校生、インターンの郷土愛の育成とIT関連企業誘致が鍵かと考えています。4月より両津商工会に勤務しています。後藤さんの数字以上のものになるように抗ってみます。佐渡市の未来検討委員会などには呼ばれないですか?適任かと思いますけど?

    • gkmyhn より:

      「抗ってみます」…いい響きですね。企業であると「挑戦します」は、よく聞かれることですが、「人口」については、聞かれなくなってしまいました。
      次のURLの事業をした際、委員の一人に元校長先生がいました。事務局だった私は、いつも中学校からの教育の必要性を言う意見に対して、「教育は長くかかり過ぎる。待てない」と思っていました。今は遠回りのようで一番早い...とわかります。また、定年後に高校の何かの委員をしたことがありました。その際、もっと将来に対する指導が必要という委員に対して、「高校へ入ると、すぐに具体的進路について考えないと間に合わない。それは、中学など、もっと早い時期からすることが必要」と言っていました。なるほどと思ったものです。
      http://www11.plala.or.jp/gkmyhn/shinbun/yomigaere001.html

      ※私は、後期高齢者に入ります。体力、気力の衰えがわかります。特に、仕事が好きだと思っていたのに、そうではなかったことに気づきました。現役時代に気づかなくてよかったと思っています。(笑い)
      ※旧市町村の人口推計は商工会の合併に関連して行ったものです。事業所数は、本文で記載したように人口千人当たり70±3で佐渡は40年以上続いています。このことから、将来人口がわかれば将来の事業者数もわかります。そうすれば、合併でどのような地域の組み合わせがあると、どのような将来人口と事業所数となる商工会かがわかります。さらに、佐渡連合商工会の調査で後継者の有無の割合もわかっています。どの組み合わせの場合も、後継者なし(事業チャンス数)、どちらともいえない(事業承継支援数)、後継者あり(事業再構築の必要数)などの課題や目標となることもわかると考えました。これをシミュレーションできるようになっています。連合商工会の事務局にありますので使ってみてください。

  2. 後藤守 より:

    新年あけましておめでとうございます
    また
    いつもお世話になっています
    2015推計誤差0.3%は驚異的ですね
    本心は近年若者Iターンが以前より
    増えている気配があったので期待値
    寄りに外れてほしかったのですが
    世界遺産国内候補決定となり
    子供たちが生まれた佐渡島に自信を
    持つことに大きな価値があると
    思っています

    今後のご活躍を楽しみにしています

    • gkmyhn より:

      おめでとうございます。 もう20年間位は、各々5年先の誤差では1%未満ですよ。ただ、当たるというよりも、長年の減少で消滅(あえて使わせてもらいます)へのレールに乗っているためです。私は、人口推計を習ったのと中小企業診断士の資格取得が同じような時期でした。人口減少は売上減少と対応が似ていると感じています。社長が「売上減少を何とかしろ!」と命令しますが、個々の社員は自ら思うことをバラバラにしており、意識はもちろん力の結集が十分にはないと思っています。事務局として大昔に取り組んだ次のURLサイトの図に描いたよりは進んだとは思いますが….
      http://www11.plala.or.jp/gkmyhn/shinbun/yomigaere002.html

      (補足)
      前述の「力の結集」は、「認識が共有され、試みる挑戦者が出て、その中からうまくいく例が成功体験となる」流れがあると思います。しかし、そのスタートの認識の面で、おっしゃる「近年若者Iターンが以前より増えている気配があったので期待値寄りに外れてほしかったのですが...」と思われるように、どれ位の力や規模があると人口が動き出す(または動かない)かが共通認識となるほど明らかになっていないと思います。私もわからないため、「やってみなくちゃわからない」とシミュレーション化したんです。「こんなに頑張っているのに、誤差1%未満から抜けられない」と思うと、企業であれば「それでも今までのように力づくでやるか」だけでなく「アプローチを変えてみようか」と考えると思います。

      私は、人口減少は売り上げ減少と対応が似ていると感じています。私からみると、「人口」について対応するための「目標」が高すぎると思っています。減少して以来、一度だけの勝ち体験がないのに、「こうあるべきだ」という高い点からの挑戦です。経営ならば「まず力相応のところで勝つ」がセオリーでしょう。「こうしたら、本来ならこうなる減少がこうなった」という成功体験は聞いたことがありません。ところが、参画している方々は勝ち体験を多くもっています。しかし、その勝ち体験は必要条件なんですが、人口減少を止めるという十分条件には至っていません。というか、何人移住その他があれば、人口は必ずこうなるという数値が示されていないためです。それができれば、差異分析も、ここがこうだから何人できなかったと共有され再挑戦してもらえると思います。私は、それを具体的な数値で示せるようにするお手伝いができればと思っています。企業であれば、計画を数値化する場合、それを達成すれば全体としても目標達成となるよう連動する必要十分条件の数値なのですが、それが「ない」か「認識されていない」かでしょう。逆に、達成できなから、「これでもか、これでもか」と同じことを繰り返せるともいえるかもしれません。それと、経営が苦しくなったときに銀行借り入れしようとした場合、単に売上アップの計画をつくり提出する企業は稀になりました。それが達成できるのであれば、こんなに苦しくはなってはいないでしょう...と指摘されると思います。それなりの根拠を持参するということは、経営の再構築だったり新商品だったりとアプローチを変えることだと思います。

  3. gkmyhn より:

    本文のグラフ下に元資料をリンクしました。ご覧ください。なお、作成時期が数年以上経っていることに注意ください。

    (補足)
    前述の「力の結集」は、「認識が共有され、試みる挑戦者が出て、その中からうまくいく例が成功体験となる」流れがあると思います。しかし、そのスタートの認識の面で、おっしゃる「近年若者Iターンが以前より増えている気配があったので期待値寄りに外れてほしかったのですが...」と思われるように、どれ位の力や規模があると人口が動き出す(または動かない)かが共通認識となるほど明らかになっていないと思います。私もわからないため、「やってみなくちゃわからない」とシミュレーション化したんです。「こんなに頑張っているのに、誤差1%未満から抜けられない」と思うと、企業であれば「それでも今までのように力づくでやるか」だけでなく「アプローチを変えてみようか」と考えると思います。私は、人口減少は売り上げ減少と対応が似ていると感じています。私からみると、「人口」について対応するための「目標」が高すぎると思っています。例えば、経営が苦しくなったときに銀行借り入れしようとした場合、単に売上アップの計画をつくり提出する企業は稀になりました。それが達成できるのであれば、こんなに苦しくはなってはいないでしょう...と指摘されていないと思います。それなりの根拠を持参するということは、経営の再構築だったり新商品だったりとアプローチを変えることだと思います。

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