佐渡市が「人口ビジョン」発表。その達成に向け私たちも考えてみませんか!~アプローチを変えよう (その1)~

By gkmyhn, 2022年4月27日

人口減少を止めるって「亡くなる人」を無くすこと?

娘:  会話形式で記事を書くということは、気兼ねする微妙な言い回しがあるということだね。でも、何故「見出し」でわかりきったことを聞くの?

父:  ほらっ、(ここ)で「2020年データでは2015年の実績データで推計するよりも消滅は45年早まりました」と書いたよ。

娘:  今のデータを使って遠い将来を予測できるわけないから、二つの時期の実績値を将来に投影して見たわけね。

父:  そうだね。この5年間で過疎が進んだ意味だよね。でも、コメントに「頑張っていると思った」と書いた人があったんだ。

娘:  それで右の表を作ったんだね。みると高齢者の減少が殆どだね。

父:  うん。逆に言うと、若い層の減少は少ないから、コメントにあった「ガンバリ」はあったんだね。でも、高齢者の減少、特に亡くなっていく人の多さで表面化してないわけだね。

娘:  それで、少し皮肉っぽい見出しにしたわけね。でも、この傾向は、団塊の世代と言われるお父さんを含め、顕著になるよね。

父:  そうなんだ。それで最初から「何をしても無駄」と思われないように紹介したんだよ。

娘:  お父さんもそうだけれど、これから人数の多い団塊世代が控えているから、上で説明した状況は今後も続くもんね。

その構造は、これからも同じ。

父:  佐渡市の人口ビジョンでは、2060年に33000人を目標にしているよ。

娘:  そうだね。40年後だよね。

父:  令和2年に60歳の人は40年後は100歳だから多くは亡くなってしまうよね。

娘:  それが上のアイキャッチ画像に使った図表だね。60歳以上の人達の合計が25,837人なんだね。お父さんも含んでいるね。

父:  40年間で割ると年600人余り、年間1000人の人口減少というけれど6割は高齢者の方が順次亡くなること…でもあるよね。

娘:  そうともいえるね。平均も団塊の世代までは高齢者が多いから亡くなる人も多くなるよね。

父:  上の人口ピラミッドで、60歳以上の層は下のピラミッド中央に子ども、下のピラミッドには孫がいる人が多いと思うよ。

娘:  そうだね。

父:  心配性だから、何もできないくせに先々を考えてしまうんだ。

娘:  性格だけでなくて年寄りになったから加速しているね。そうはならないと思うよ…。でも、目の前にいる子ども、孫の代がどんな生活舞台なのかも考えてはほしいね。

父:  内閣府 経済財政諮問会議 専門調査会「選択する未来」委員会では、人口が減り続ける社会は、いずれ消失することになり、どのような未来も描くことはできない(ここ)…としているものね。

娘:  目の前にいる自分の子、孫が生活するうえでの困りごと、不安はないことは皆さん祈っていると思うよ。

父:  そう、それを具体的な言葉や形で示すと、人口減少への対応に頑張っている人のエールとなると思うよ。

「減少を止める」から、この部分を「増やそう」へ!

父:  60歳未満の人口は25,512人というと、やはり全体の半分だね。この人達と新たに生まれる子ども達やUIターンを含めて合計33,000人にしたい…ということだよね。

娘: わかった。人口減少は亡くなる人を止めるという感覚ではなくて、その活動は「増やそう」としている…と言いたいんだね。

父:  経営でも似たようになるよ。今のままでは会社全体の売上減少が止まらない場合があるよ。どうする?

娘:  たとえば新製品を開発するとか?

父:  通常そうだよね。でも、うまく売れても会社全体の売上減少は即止まることはないよね。

娘:  全体の売上がさがり続けるが、新製品の売上が伸びてぶつかるところがあり、その後は減少が止まるか横ばいかだよ。

父:  その時の会社内の雰囲気は、売上減少を嘆くというよりも、今年は個々まで伸ばせたとか、あとこれだけとか….喜びや挑戦や励ましなど攻めの雰囲気になると思うんだ。

娘:  なるほど、そういえば人口減少では悲痛さが感じられるね。減少全体数にとらわれて、会社でいう新製品の伸びの喜びは打ち消されてしまうのね。

父:  そう、その「挑戦」をもっと表に出て、新たな人たちの頑張りの契機となるようにね。

娘:  お父さんが行おうとしているのは、それを行うことは必要(条件)なんだけれど、その結果は目的に十分(条件)なんですか...という「チェック」と、どこがどの程度違うのかの「差異分析」をして、次回の必要十分条件を満たす「数値目標」につなげるツールの公開なんだよね。

父:  うん。「人口」に興味をもって長いよ。特に「村おこしブーム」の時は、全国で話題になるものが多かったよ。でも….

娘:  でも、今となっては人口減少を止めるという点では一過性だったものが殆ど...と言いたいのね。

人口減少は止まる ~安定人口理論~

父:  そうだね。この先の5年間は、50年ぶりのチャンス(ここ)を「力づく」で行ってほしいね。

娘:  なぜ5年間って絞るの?

父:  万一できなかった場合のためにね….。その時に駄目なら消滅かもしれないよ。

娘:  別の方法か何かある...と言いたいの?

父:  下のグラフは、別に記事(ここ→近々にアップ)にする 佐渡市の人口ビジョンの数値目標の定め方を類推して検証してみた途上のものだよ。

娘:  設定や計算結果を検証しておかないで、れを基に皆さんも達成へのアイデアや支援をしましょうと言うのもね。一市民に独自のやり方を教えてはくれないだろうからね。みると、一旦下がっているのに横ばいになっているね。

父:  そう、他のグラフも消滅はしないで僅かな人口で計算上は横ばいなんだよ。

娘:  不思議だね。どうしてなんだろう。

父:  人口の安定化理論ってのがあるんだ。理屈は簡単なんだけれど、説明するとなるとできないよ。

娘:  興味のある人は「人口安定化理論」で検索してってことね。

父:  人口を先々の500年間計算しようとしたキッカケは、かなり前、「人口辞典」で知ったからだよ。そんなことがあるのかと思って行ってみると止まるんだね。でも意識しないで計算していて「あれっ! 止まった」は今回が初めてだった。

娘:  お父さんの場合は、他の方法を諦めて此れをねらっているの?

父:  これまでも、過疎脱却などの話題になった出来事があった地域は興味で計算してみたよ。殆どは無理と思った。駄目だということではなくて、その規模のことを何年にもわたり興すことが必要なんだ。それが予めわかってないせいだと思うよ。

娘:  どれだけ続ければよいかわかってもらうための「人口再生シミュレーション」ツールだと言いたいんだね。

ゴールからの逆算方式

父:  お前が大学受験したとき、入学したい大学は、何点とれば合格すればよいか知るよね。

娘:  勉強する前に知ろすとするよ。それを数値目標にして「合格から逆算」して勉強した。

父:  人口減少に対しては、そうなっていないと思うんだ。最低限、これだけすれば人口減少が止まるということが数値として話題となったことは聞いたことがないよ。

娘:  わかった、あまり理屈を言わないで! 「人口再生シミュレーション」は、それがわかるツールだよ...と言いたいんでしょ!

父:  それで、何をしてもだめだと諦めたら「人口の積み上げという考え方」(ここ)も考えてほしいと思う。

 

「集落」で使うことを念頭にした「人口再生シミュレーション」ツールへ

娘:  なんで集落でも使えるようにするの?

父:  過疎化で困る現場は、昔の「大字」「字」などの大小の集落なんだから、そこで使うえるようにしようと少し手直しをしているんだ。

娘:  集落は多いよ。データが集められるのかなぁ…

必要なデータの入手

父:  そうだよね。だから、正規のやり方というよりは、手間暇と容易さを考慮して「このやり方でも大丈夫だろう」という方法を選んでみたよ。また、全国の集落別(小規模地域)人口は公開されているんだ。

娘:  なるほど。全国の誰もが自分の集落のデータを入手したり計算できるのね。

父:  それと、ちょっと無茶だけれど、「当てる」「当たらない場合は、なぜかという原因が明確にわかる」ように工夫するよ。

娘:  お父さんは、よく「どうなるか」ではなくて、「どうするか」だと言うよね。その両方を狙うわけね。

父:  うん。結果は自己責任とさせてもらうことが原則で、それを根拠に公の制度を活用したり実施する場合には、必ず専門家の指導を得ることを提案するよ。

実施のお手伝い

娘:  えっ、お手伝いすることにしたの?

父:  うまく操作説明が書けないんだよ。説明しようとするとクドクドと長くなる。

娘:  はじめは、確かゲーム感覚でできようにしたい...と言っていたよね。

父:  わかってもらえるようにしようと思うと、かえってわからなくなる。

娘:  お父さんの性格が出ているんだね。仕方ないね。

父:  もちろん「やってあげる」ではなくて「お手伝いする」だよ。あくまでも、自分の責任で行う前提だよ。

娘:  もちろんボランティアなんでしょ!

父:  うん。逆に言えば、その範囲でのお手伝いということだね。

娘:  お父さんは終活の一環で、今まで使ってきた道具を公開しておこう…でしょ! 少ないけれど、お父さんと同じような気になる人はいるしね。きっと。

課題の多い集落

父:  公開の理由は、もう一点あるんだ。この数年間で区長と集落長2回行ったよ。課題が山積していると思った。一方で、地域のことに疎い私に「待つ」ことの大切さを常に言われ、その助言で前に進めたことも多かったよ。

娘:  その課題の一つが前に紹介した(ここ)ね。

父:  熟して果実が落ちるのを待っていると、もう間に合わないこともある気がするんだよ。

娘:  お父さんの心配性が出てくるのね。

父:  それで、早めに着手したいという人や心配性の人がいて、行動を起こすか迷う場合のツールにもなるかな...と思ったんだ。

娘:  まあ、問題の多くは人が少なくなることに起因することが多いかもね。

父:  今は全国共に(ここ)のようになっているよ。消滅への一本のレールに乗っている気がする。「存続」か「消滅」かの二者択一じゃ悲しいものね。

公開の時期

娘:  ツールを公開すると言いながら遅れているよね。ハッキリしたほうがいいと思うよ。いつまでにできるの?

父:  責められている感じがするね。まあ、5月の連休中に頑張ってみようかな...と。

娘:  じゃあ、期待しないで待っているしね。

 

 

 

 

2 Comments

  1. 廣瀬 擁 より:

    後藤さん、いつも貴重な御意見と実数を入れての解説大変参考になります。人口減少の一因は我々の年代にも責任がある様にも感じます。我々の年代は子供の数も2人が一番多い様に思います。男1人女1人であればどちらかに家督を継いでもらうことが可能ですが2人とも女の子で、2人とも結婚し嫁に出てしまうと、家督相続は困難になります。我が家の場合も2人とも嫁に行き、小生の父兄弟、姉妹は5人の親元、小生の兄弟・姉妹は6人の親元、こんな現状である中での家督の今後を予想すると、私ら夫婦が死別してしまうと絶家となってしまいます。
     そこで1計を考え、嫁に行くとき2人にどちらでも構わぬが自分たちの子供を1人、私の養子によこすことを条件に嫁に出し、高校入学と同時に、本人の確認を取り長女の2男を私の子供としての養子縁組をし、人口減少の歯止めの一助に実行させてもらいました。こんな方法もあることも今後の課題として過疎の集落や、個人の家の策と考えてみてください。

    • gkmyhn より:

      広瀬さんへ。佐渡市、新潟県、日本と言っても、存在するのは帰る?還る?ところは、動物的にいえば巣?としての「家庭」だけです。佐渡、県、国は、各々の家族や家庭が安全や快適を含めて継続できるように括った概念ともいえると思います。その一番「基」になるところが崩れそうなわけですよね。そのために出る「困りごと」を頑張りと支援制度で対応していますが、限界がありますよね。私は、今必要なのは頑張るよりも仕組み変えと思っていますが、具体的には、どうしてよいのかはわからない状況です。
      その点、広瀬さんの対応は、最も根幹部分について、直接解決する新たな仕組み?方法?をとったということで、勇気、実践力を含め素晴らしいと思います。

      私も後期高齢者になり、特に気力、集中力がなくなくなってきました。シミュレーションツールの公開も集落の希望があれば少し手伝おうかなと思うのも全て終活の一環なんです。機会があれば広瀬さんの期待に沿えるようにしてみます。

      —–
      追記;本文の中で、40年後の2060年の目標人口は33000人。生存している可能性の高い59歳以下の人口は25512人と記載しました。この差が出生数やUIターンの目標数と誤解されるため追記します。現在59歳以下人口だけで2060年まで推計計算すると16247人となりました。目標との差は16753人となります。この数値を40年間で達成するとなると年間419人ほどになりました。この数値を合計特殊出生率2.08を目指す出生数、通常のUIターンに上乗せする新たなUIターン者で達成することになる計算です。3月議会の映像をみたとき、今年のUIターン者が500人余りと聞きましたので達成していることになります。

What do you think?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です